勝手に音楽批評Webサイト カルチャア
洋邦ロックを中心に勝手に音楽批評。昔は音楽のみでしたが、他のことも書いてます。
2005.01.23 Sunday
Ziggy Stardust And The Spider From Mars/DAVID BOWIE 1972・英
歴史的名作。2002年に発表30周年で新たにリマスターされ、よりクリアなサウンドなったが、正直そんなこと関係なしに名作である。ボウイが「一人のロック・スターを夢見る少年」を作品を通して演じ、「彼」が「スター」となり「自殺」するまでを、圧倒的なスケールで描いている。ボウイはこの作品以降、グラム・ロッカーとしてのアイデンティティーを築いていくが、「ベルリン三部作」まで彼の姿はここに集約されるといっていい。
コミカルな楽曲、とにかくドラマチックな展開、歌詞の繊細さ、見事な心理的表現に魅了される。最も光りを放つのは最後の曲、「ロックン・ロールの自殺者」だろう。「少年」が「あなたは一人じゃない、僕のほうを向いてくれ」を歌いながら死んでゆく描写は圧巻、素晴らしく、そして儚く美しい。「古い作品」だからと手に取らない人がいたらもったいない。聞いて必ず「あなたの心に何かが残る」作品である。
推薦者:めぐめぐ氏
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