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勝間本は内容よりもそのよくわからない自信に価値があるのではないだろうか
 一時期ほどは騒がれなくはなったが、この不況下において勝間和代はコンスタントに本が売れている人だ。わたしも何冊かは読んだことはあるが、書いている内容や言葉遣いが平易であるためスラスラと読める。しかしながらどの本にも同じようなエピソードが多々見られるため、どの本も同じに見えてしまうと思うし、ビジネスに関する本は比較的重たい内容のものが好きなわたしにはビジネスより娯楽本に近い。

それはさておき、シンパもアンチも多い勝間和代だが「自分の成果とそれまでの努力について過剰なまでに堂々と大衆に語ることができる図太さ」については敬意を持つ。今の立ち位置にたつまで並々ならぬ努力があったに違いないが、「わたしはここまで努力したからこうなりました〜」というトーンの本をあれだけ量産できるのがすごい。どの本もテーマが違えど結局はそういう内容の本だ。なお「昔の自分はダメダメだったけど、人は努力すれば変われるんです」が基本コンセプトだが、彼女の読者が本の通り彼女と同じような手法で努力しても成果が出ない方が多いくらいだと思う。(元々がダメダメとはいえ高校から慶應に入るには頭のよさと家庭の財力が不可欠)

ただあれだけ自分の実力を信じて人前で語れる存在は、ある意味貴重だ。特にこの不況においては皆が自信を無くしがちになるが、そういう(時には根拠のない)自信は人にある種のポジティブさを与えてくれるときもあるのではなかろうか。だからわたしはたまに彼女の本を買わなくても、頭に残る内容でなくても、本屋で手に取ってみることがある。

歴史を見ると、人は不況下に安定を求めてカリスマを仕立てあげる。勝間和代や比較対象としてはおそれ多いがドラッガーの本が本屋に山積みになっているのは、そういう背景もあるかもしれない。
| hammer | 音楽以外-本 | 12:29 | comments(0) | - | - | - |
「普通の女の子」として生きにくいあなたへ
 大学時代に見つけたコラムサイトの名前である。
http://homepage2.nifty.com/joshi/

ちょこちょこ読んでいたのだが、つい最近書籍化されたのを知って(実際は2年前に書籍化済)買ってみた。わざわざwebで読めるものを購入するのは、ただ単にアナログ人間というわけではなく、自分の手元に残しておきたいという心理の現れだと思う。CDについても同様だ。わたしは基本的にネットダウンロードはしない。

ちなみに新聞(日経)については購読をやめ、こちらについてはweb版にした。webでもpdf化された新聞が読めるからだ。携帯や、会社の空き時間に読めるのがよい。
| hammer | 音楽以外-本 | 00:06 | comments(0) | - | - | - |
いま、女として
大韓航空機爆破事件の実行犯である、金賢姫の告白本のタイトルである。彼女の不幸は美貌、頭脳、高い出身(北朝鮮では朝鮮戦争で南側についていた場合は、身分が低いとされる等出身による階級が重視される)の全てを併せ持ったことに起因する。工作員として訓練を受けていた招待所での炊事係のおばさんにも「そんなに勉強しなければ、こんなところには来なかったのに」と言われたようである。 

拉致被害者の方には申し訳ないが、告白本は下手な推理小説よりもリアル感があり興味深い。招待所での工作員として訓練を受ける描写(拉致被害者である田口八重子さんと一緒に生活することで、日本人になりきるという日本人化教育を受けた)はかなり細かく、彼女の記憶力には舌を巻く。 

一番印象的なのは彼女が韓国当局に取り調べを受ける過程で、自分自身のしてきたことや北朝鮮へ疑問を持ち始める下りだ。最初は中国人に成り済ますことで捜査を攪乱しようとした。しかし、韓国当局の温情な対応や祖国と比べて韓国の裕福な光景を目の当たりにし、祖国に対して疑問を持ち次第に事実を語り始める。 

当然彼女の罪は許されるものではないが、彼女自身が北朝鮮政府によって貴重な青春を犠牲にすることを余儀なくされたという事実もまた、許されない。また、死刑ではなく生き証人として彼女を特赦した韓国政府は、非常に勇気ある決断をした思う。 
| hammer | 音楽以外-本 | 22:10 | comments(0) | - | - | - |