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Random Access Memories/DAFT PUNK 2013・仏
先日発表されたグラミー賞でRecord Of The Year始め5部門を受賞した作品である。全13曲、74分を超える大作ではあるが、長さを感じさせず飽きもこない。ダンス系のアルバムにありがちなイケイケのノリはなく、どちらかというとユルいアルバムである。しかしユルいアルバムにありがちな惰性もない。

また、普通であれば最初のシングル曲はアルバムの2曲目や3曲目に持ってくることが多いが、"Get Lucky"は8曲目である。アルバム全体としてもどの曲をシングルカットしてもおかしくはないようなポップさを持ちながらも、聴き手に感じさせないようによく構成が計算されている。

DAFT PUNKがジャンルを超えて愛されるのはそのポップさもさることながら、その温かさにあると思う。エレクトロ系ミュージシャンの持つ金属的な冷たさが薄く、まるで冬の吐息のような御馴染み感がある。21世紀明けて直後にリリースされた"Discovery"のは新しい時代への期待やわくわく感があった。冒頭に書いたようにこのアルバムはユルさを感じる。DAFT PUNKのアルバム時代に世相が表れているのかもしれない。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 22:54 | comments(0) | - | - | - |
Classics/DON McLEAN 1992・米
このアルバムを聴くと、わたしは行ったことがないが、アメリカの中西部、グレートプレーンズが瞼の裏に映る。※Don McLeanはニューヨーク州出身である。つくづく日本人の勝手な妄想だと思うが勘弁願いたい。

『American Pie』で有名なDon McLeanのベストアルバム。OasisやBlurに代表されるBritPopが英国人にしかできないサウンドだとしたら、Don McLeanは米国人にしかできないサウンドを奏でていると思う。(次元が全く違う話だが)アコースティックを貴重としたサウンド、歌詞、畳み掛けるような声と、聴く者のノスタルジーを誘う。そういえば、folk songは北アメリカのお家芸なのはなぜだろう。

90年代にMadonnaが『American Pie』をカバーしたから、私たちの世代にはそちらの方がなじみがあるかもしれない。彼女の中のアメリカ人の血がそうさせたのだろうが、原曲の方が言葉の重みが違う。飛行機事故で亡くなったミュージシャン、解散したバンド、テーマは実際に明るいものではない。1972年。ベトナム戦争のまっただ中で死のにおいがしていた。それらを打ち消すかのような"This'll be the day that I die"(僕が死ぬなんてありえない)という歌がヒットしたのは大いに納得できる。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 00:53 | comments(0) | - | - | - |
Waterloo To Anywhere/DIRTY PRETTY THINGS 2006・英
THE LIBERTINESのもう一人の片割れであるCarl Baratが結成したこのDIRTY PRETTY THINGSのデビュー作は40分弱の非常にコンパクトなアルバムだ。かつての相方のPeteの作品は混沌としているのとは正反対で、これまでの過去を振り切るかのような思い切りの良さと切れ味、プロとしての真剣さが感じられるものになっている。どちらかというとBABY SHAMBLESよりもDIRTY PRETTY THINGSの方がTHE LIBERTINESサウンドに近い仕上がりだと思う。大人になったTHE LIBERTINESという感じだろうか。辛い時期のCarlの成長がそのまま反映されているのではないかと想像する。
Peteのドラッグ問題やそれに伴う不在時に一人でTHE LIBERTINESを引っ張っていくCarlの痛ましい姿を見てきたわたしとしては、ようやく新しいスタートを切れたということにほっとしている。しかもTHE LIBERTINESの敏腕ドラマーGaryもメンバーというのがいい。ただBABY SHAMBLESにしろDIRTY PRETTY THINGSにしろTHE LIBERTINESのときのようなきらめきが感じられないのが寂しい。かといって再結成は望まないが。

推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 21:45 | comments(0) | - | - | - |
Discovery/DAFTPUNK 2001・仏
『One More Time』がCMで使われていたので馴染みの人も多いと思う。

わたしもこの1枚しか聴いてないのでDAFTPUNK自体のレビューはできないが、この作品はすごく明るくてノリもよく、聴いていると気がつけば5曲くらいは平気で終わっている。ノリだけではなく、『Digital Love』の歌詞のようにすごく優しく、「昨日僕が見た夢では、君と僕が一緒に踊っていたんだよ」という照れくさい恋愛系の歌もある。とにかくハッピーでテンションのあがる1枚だと思う。満員電車に揺られながら乗り換え駅で急ぎ足で歩くときに聴きたい1枚だ。メンバーは意味不明なヘルメットをかぶっている2人組ですごく服装もオシャレ。いろんな意味でその存在自体は謎だそうだ。

ところでこのDiscoveryというタイトルは発見という意味だが、Disco+VeryととてもDiscoでノリノリという意味にも取れる。それもなんかオシャレだ。どちらにせよ昔はロックしか聴かなかったわたしにとっては大発見アルバムだった。 


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 11:11 | comments(0) | - | - | - |
Doors, The/THE DOORS 1967・米
67年に発表された。ファースト・アルバム、そしてドアーズのアルバムの中でもセカンド・アルバム「ストレンジ・デー」と並んで最高傑作に位置するアルバムだ。 

オリバー・ストーン監督の映画、「ドアーズ」は私にとって衝撃的だった。ドアーズが結成され、ジム・モリソンの死までを描いたこの映画はロック史に生きたジム・モリソンという奇妙で、そして天才だった人物を忠実に描いているのだ。「ハートに火をつけて」をバンドでジャムりながら、ふと一瞬で思いついた彼ら、ドアーズがライブで人気をはくしながらも、時代はベトナム戦争期、ロックは人々から排除され、サイケデリックやヒッピーが言葉として流用されてくる時代。彼らは若者の味方であり、敵でもあった。ドアーズはそんな複雑な時代流れの中でジムという人物を中心として活動していった。どんどん人気を得ていくバンド、それとは逆に荒れていくジム。ドラック、セックス、黒魔術。ドアーズの作品は後期になるにしたがって荒れていく感覚を覚える。それはジムの生活、精神状態が関係していたのだろう。映画「ドアーズ」のラスト・シーンは壮絶である。 

様々な思いを抱きながら、このファースト・アルバムは聞き次がれてきた。時にはクラブで、時には一人部屋で、でも余りにも儚いジムの歌声はいつも人々を受け止めてくれる。「ハートに火をつけて」はサイケデリックな作品ではあるが、作品自体が持つ意味が大きすぎる、余りにも壮大だ。


推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 15:25 | comments(0) | - | - | - |
Layla And Other Assorted Love Songs/DEREK & THE DOMINOS 1996・英
我々にとって「クラシック」と呼ばれる作品はどんなものだろう。オアシスの「モーニング・グロリー」をあげる人もいれば、ビートルズの「リボルバー」をあげる人もいるだろう。私がここで考えるのは後者で、私の年代の人々にとって手の出しにくい作品たちだ。世代から離れれば離れるほど、「ロック」は「ポップ」における噛み合いが違ってくる。しかし、私たちの「クラシック」に対する再解釈は時代を経た「価値観」が生み出す新たな見解によって音楽をより奥深いものにしてくれるのである。

さて、「レイラ」という歴史的名盤の特質はどこにあるか。クラプトンはブルースに対する理解を深めるため、早くから黒人アーティストたちとの演奏を心がけてきた。これは当時、ブルースを「白人化」しようと試みたジミー・ペイジとは全く逆であり、「黒人アーティストとの同化」という人種を越えた文化的接触が「レイラ」を形作ったと言えるのでないだろうか。これは「レイラ」以降のクラプトンのスタイルに決定づけた。ぜひ、「レイラ」を聞いた後、20年後の「アンプラグド」における「レイラ」を聞いて欲しい。クラプトンのブルースに対する方向性の一端が見て頂けるだろう。

クラプトンは三大ギタリストとしてジェフ・ベック、ジミー・ペイジと共に上げられることがあるが、おそらく純粋なテクニックではジェフ・ベック、「ブルースの白人化」とサウンド・メーカーとしてはジミー・ペイジ、そして「ブルース・ロック」のギタリストとしてはクラプトンではないだろうか。無論、彼らの「ロック」に対する歴史的貢献は計り知れない。


推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 15:29 | comments(0) | - | - | - |
Ziggy Stardust And The Spider From Mars/DAVID BOWIE 1972・英
歴史的名作。2002年に発表30周年で新たにリマスターされ、よりクリアなサウンドなったが、正直そんなこと関係なしに名作である。ボウイが「一人のロック・スターを夢見る少年」を作品を通して演じ、「彼」が「スター」となり「自殺」するまでを、圧倒的なスケールで描いている。ボウイはこの作品以降、グラム・ロッカーとしてのアイデンティティーを築いていくが、「ベルリン三部作」まで彼の姿はここに集約されるといっていい。

コミカルな楽曲、とにかくドラマチックな展開、歌詞の繊細さ、見事な心理的表現に魅了される。最も光りを放つのは最後の曲、「ロックン・ロールの自殺者」だろう。「少年」が「あなたは一人じゃない、僕のほうを向いてくれ」を歌いながら死んでゆく描写は圧巻、素晴らしく、そして儚く美しい。「古い作品」だからと手に取らない人がいたらもったいない。聞いて必ず「あなたの心に何かが残る」作品である。


推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 16:29 | comments(0) | - | - | - |
Life For Rent/DIDO 2003・英
ダイドのセカンド・アルバム、Life for rentは「No angel」の大成功とそのプレッシャーからダイドが抜け出すための作品となっている。サウンド自体の根本的スタンスは「No angel」から大幅に変わることなく、一曲目「White flag」から安心して聞き入ることができる。しかし、作品の端々にはダイドの困惑というものが見てとれる。
アコースティック・サウンドにオーバープロデュースな打ち込みが入り、アコースティックの「良さ」が完全に失われてしまっている。フェイスレスというダイドの母胎と言える「特質」がここで完全に「ダイドの個性」を喰ってしまっている。今回、兄ロキがアルバムに参加しているかは分からないが、ダイドの個性を生かすこと、これが彼女のこれからの課題だろう。


推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 16:17 | comments(0) | - | - | - |
Reality/DAVID BOWIE 2003・英
待ちに待ったロックンローラー、ボウイの帰還である。

「リアリティ」一曲目、「New Killer Star」からギターが疾走し、さらに高らかに鳴らされるサックスが素晴らしい!ピアノ、生ドラムがこれをよりサポート、バラードもさらっと流れるよう、とにかく「ロック」なのである。

「ヒーザン」が内向的で「静寂」なアルバムなら「リアリティ」は「鼓動」である。ジャス・テイストをも取り込み、カバー曲はまさに「ボウイ色」に染まり・・・若い人も抵抗なく聞いて欲しい。


推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 16:16 | comments(0) | - | - | - |
Heathen/DAVID BOWIE 2002・英
90年代、ボウイは様々なロック以外のサウンドの手法を取り入れることによって、自らの音楽性をよりグローバルな方向へ向けようとした。彼がジャングルやオルタナティブという新世代のサウンド形式へ接近したことは、結果的にボウイにとって不十分なものでありスタイルを確立することが出来なかった。おそらく、その根本的な理由はボウイが常に「ポップ」に拘ったからだ。アースリングもアスも「ポップ」の範疇から抜け出すことが出来なかった、つまりボウイは音楽性の確立ではなく、大衆性の維持に走ってしまったのだ。
この「ヒーザン」には「ポップ」は存在しない。ボウイの近年のスタイルから集約された音楽性が申し分なく発揮されている。良作。

推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽D | 14:41 | comments(0) | - | - | - |