勝手に音楽批評Webサイト カルチャア
洋邦ロックを中心に勝手に音楽批評。昔は音楽のみでしたが、他のことも書いてます。
2009.09.23 Wednesday
Ribbed Music For The Numb Generation/SOHODOLLS 2007・英
最初は今時珍しい女性ヴォーカルバンドで、アンニュイでポップだなあと興味を持ったが改めて通しで聴くとなんじゃこりゃ。なんかへたれのGarbageって感じか。メンバーの経験値の差もあるだろうが、比べるのも失礼か。ポップでわかりやすい曲調で聴きやすい。しかし1stでこういう風に中途半端に完成されてしまえば、今後はたぶん期待できないかな。
『Stripper』PVでセミヌードになるも、セクシーさがなくて単なる話題作りかとさえ思えてくる。このPVについて興味があればYou Tubeで検索してください。
推薦?者:hammer
2006.11.26 Sunday
Digital Rock/SPACE COWBOY 2006・英
わたしは新しいCDをプレイヤーに入れるときは一瞬緊張する。どれくれらいの時間があるのか表示されるからだ。落ち着かない性格のため、70分超えるものだとうんざりしてしまうことがある。30分程度だと金返せとまでは言わないが、ちょっと損した気分になる。この『Digital Rock』については30分強。若干損した気分を味わったのは事実だが、聴いてみるとそれは最初だけだとわかる。
SPACE COWBOYにとどまらず、ダンスミュージックに関しての先進国はやはりイギリスを中心としたヨーロッパであるのはなぜだろう。勢いという点だけに注目すれば、わたしが2006年に聴いたアルバムの中ではダントツではないだろうか。
『Digital Rock』というタイトルどおりエレクトロ調の音楽をエレキギターがざくざくと切り裂いていく。踊りたくなるようなパーティーチューン満載だが、リリックは「自分自身」というものに焦点が当てられている。隣で寝ているガールフレンドの寝言であったり、昔MTVを見てミュージシャンを目指したことであったり(どこまで本当かわからないが)、常に主人公は「自分」である。ほとんどの曲のVoはNicolas自身がとっているのもそういうこともあるのだろうか。そういう小難しいことは別にして30分じゃ物足りない。
推薦者:hammer
2006.11.19 Sunday
Ta-Dah/SCISSOR SISTERS 2006・米
流行り音楽が好きな人にもコアなロックファンにも受け入れられる万人受けする作品だと思う。1曲目でかつ1stシングルの『I don't feel like dancing』から始まるこのアルバムの再生スイッチを押した途端、最後まで素直に聴けてしまう。80年代っぽいディスコの香りもするし、年代関係なく受け入れられるのではないだろうか。さらにいえば風貌からしてノーマルでもゲイでも受け入れられそうだ。個人的にはタイトルがふざけている『Paul McCartney』がお気に入りだ。
一発屋っぽいオーラを放つ(といっても2ndなのだが。1stもUKで250万枚売っている)5人組。1stのビッグヒットのあとかなり悩んだようだが、世界中でとんでもなく売れているらしい。確かにこのサウンドで今後成長できるのかと、一部の業界関係者から言われているようだが、自分達の寿命はそんなに長くはないというのは彼らが一番わかっているのではないだろうか。『I don't feel like dancing』もそういった気持ちからつけられたタイトルのようだし。それにミュージシャンというよりも彼らはもともとパブやダンスフロアが活動拠点だったようだから、音楽を製作するというよりもそのパフォーマンスにこだわりがあるような気がする。フジロックもなかなかよかったし、来日が楽しみである。
それにしても日本名で『ときめきダンシン』というとんでもないアルバムをつけられているが本当につけている人のセンスを疑う。
推薦者:hammer
2005.12.04 Sunday
Supergrass is 10 : The Best of 94-04/SUPERGRASS 2004・英
いやぁ〜懐かしい。スーパーグラスのベスト・アルバムはブリット・ポップを体験した私にとって最高の「アルバム」だ!今考えればアッシュやスーパーグラスがデビューした90年代、毎日中学、高校に行く自転車乗りながら、聞き込んだなぁ、と涙と汗と甘酸っぱい思い出が蘇ります。特にスーパーグラスはデビューが若かったから親近感を覚えていました。
これからファーストから聞くのはちょっとと言う人、もっかいスーパーグラスの洗礼を受けたい人、これぞブリティッシュ・ロックだ!、なバンドを聞きたい貴方、このアルバムをお薦めしちゃいます。
ボーカルのギャズは18歳だったし、今29歳ぐらいまだ若い。しかし、スーパーグラスはコンスタントにアルバムを発表し、四枚のオリジナル・アルバムを発表している。スーパーグラスはアッシュより比較されるけど、デビュー当時は確かに似ていた。パンク・ギター・ロックを基盤におく演奏スタイルは同じだったからだ。しかし今はアッシュがハード・ロックへ移行したのに対しスーパーグラスはポップで典型的イギリス・ギター・ロックへ進んだ。どっちが良いかと言われれば、どっちも良いだろう。セールス的にもややアッシュが上だが似てるし。スーパーグラスは今年はアルバムを出さないだろう(今、ベスト・アルバムのツアー中)。しかし、もうベテランの域に達したサウンド(なんどもいうが年齢は若い)。
推薦者:めぐめぐ氏
2005.11.27 Sunday
Sonic Nurse/SONIC YOUTH 2004・米
バンドとして19作目。もうベテランを超えたノイズの使い手ソニック・ユース。ニューヨーク三部作の最終作にあたる今作、ジム・オルークを迎えた五人によって制作されたようだ。各楽曲が相変わらずノイズをバリバリに含んだ作風になっているが、作品自体の雰囲気は前作の発展系とも言える。しかし、こんなにコンスタントに作品を発展できる。ソニック・ユースはやはり凄いとしか言えない。私は今でも彼らのインディーズ最後の作品、『デイドリーム・ネイション』を良く聞く。最高傑作といわれることも多いこの作品、一曲目の『ティーン・エイジ・ライオット』でいきなり脳味噌をえぐられる。ギター・ノイズが狂った波を創り出し、聞く人を圧倒する。
誰か彼らのライブを見た人が言った言葉で、「彼らはギターを引くんじゃなくて、犯してるみたいだった」というものがあった。少々汚い言葉だか確かに彼らのギター・ノイズ・サウンドはグランジ、ニュー・ウェイブ、ローファイを通り越した「向こう側」のロックだ。ニューヨーク、そしてソニック・ユース。切っても切り離せない二つのもの。それが紡ぎ出すロック。最高を超えた最高。今作もソニック・ユースはそれを見せてくれた。
推薦者:めぐめぐ氏
誰か彼らのライブを見た人が言った言葉で、「彼らはギターを引くんじゃなくて、犯してるみたいだった」というものがあった。少々汚い言葉だか確かに彼らのギター・ノイズ・サウンドはグランジ、ニュー・ウェイブ、ローファイを通り越した「向こう側」のロックだ。ニューヨーク、そしてソニック・ユース。切っても切り離せない二つのもの。それが紡ぎ出すロック。最高を超えた最高。今作もソニック・ユースはそれを見せてくれた。
推薦者:めぐめぐ氏
2005.11.03 Thursday
Final Straw/SNOW PATROL 2004・英
ポスト・コールドプレイ、彼らにとってはその肩書きは良いことなのか悪いことか。スノーパトロールの今作は発表された時から数カ月が経過した今、完全にイギリス・ロック界に旋風を巻き起こしている。イギリス・チャートでもベスト・スリーに食い込んだ。まさに彼らにとっては晴天の霹靂だった。
このヒットには実は理由がある。アルバムからのセカンド・シングル、「Run」が爆発的に売れ、注目され始めたのだ。「Run」は情緒的なバラードで素晴らしい作品であるが、アルバム自体も今まで中でクオリティも最高。売れるはずである。もともとスノーパトロールはボーカルが結成したレインディア・セクションという20人を越えるグループで本格的に注目され始めた(無論、一部には熱狂的ファンもいた、私とか)。この鹿部はサマーソニックにも出演、とにかくバラエティに飛んだ楽曲、しかもセカンド・アルバムにはネオアコの英雄、ユージン・ケリーが参加していた。この鹿部の結成ととも、スノーパトロール自体も音楽誌に顔を出すことになる。そして昨年に発表された今作は上記したようなブレイクを今、イギリスでしている。まだ国内盤は出ていないが、しっとりくるボーカルと疾走感のあるギターはグット・マッチ。ギター・ポップファンはぜひ。
推薦者:めぐめぐ氏
2005.10.31 Monday
Phantom Power/SUPER FURRY ANIMALS 2003・英
前作、「リングス・アラウンド・ザ・ワールド」からちょうど二年を経て発表された通算6枚目である今作。SFAのキャリアの集大成として前作が壮大なテーマを抱えていたのとは違い、従来のSFA・サウンドの良いところをこまぎりにしたような印象を受け、「ムーング」により近い感覚を受ける。SFA独特のサウンド・メイク(元々テクノ出身者を含む彼らの独自のサウンド)はブリット・ポップ以降のブリティッシュ・オルタナティブ・ロックを象徴しているし、なおかつ彼らは常に楽曲が「ポップ」であることを意識的に心掛けている。ライブも常にアミューズメント性の高いもの(変なかぶりものが登場する)であるのは彼らの方向性を体現していると言って良いだろう。テクニック、教養も最高レベルに達している。このアルバムの「ポップ」性もかなり高い。傑作である。
推薦者:めぐめぐ氏
推薦者:めぐめぐ氏
2005.10.31 Monday
Singles/SUEDE 2003・英
スウェードは解散した。解散の理由はブレット・アンダーソンによると、商業的な失敗もあるがメンバーそれぞれの創作性の違いが一番の理由だそうだ。
スウェードはブリット・ポップの産声と共に生まれ、90年代の「栄光の時代」を駆け抜けたバンドだ。「アニマル・ナイトレイト」の耽美的でショッキングな内容は労働者階級出身のロック・バンド特有のマッチョイズムを打ち壊し、ブレット・アンダーソンというカリスマを作り出した。いきなりイギリスを征したファースト、バーナード・バトラーの脱退、その混乱によって生み出されたセカンド、見事を復活を果たしたサード・・・。スウェードはブリット・ポップのイコンの一つ、そしてブリット・ポップが死んだ今、後を追うようにして終焉を迎えた。時代と共にブリット・ポップの産物たちは変革と消滅を迫られ始めた。スウェードもその流れの中で「解散」という終焉を迎えたのである。
推薦者:めぐめぐ氏
2005.04.17 Sunday
Steal Your Soul And Dare Your Spirit To Move/SOLEDAD BROTHERS 2003・米
デトロイト出身のスリー・ピース・バンド、ソールダッド・ブラザーズのニュー・アルバム。彼らはホワイト・ストライプスやボン・ボンディーズなど友好関係からプレスに注目されるに至ったが、サウンドはストライプスやボンディーズとはまったく違う。ガレージ・サウンドなど全然だしてないし、ストライプスのような「ポップ」なブルーズでもない。本来あるべきブルーズの姿である。トラディショナル・ブルースを実際アルバムの中で演奏して、自らの方向性をしっかり位置づけている。ラフなギター・サウンド、ハーモニカ、サックスが暴れまくるその曲展開は渋い。聞いた限りではホワイト・ストライプスよりジョン・スペンサーよりだ。ある意味、現代人の「ブルース」の再解釈として彼らを聞き込むこと良いことかもしれない。
推薦者:めぐめぐ氏
推薦者:めぐめぐ氏
2005.04.17 Sunday
Lovers/SLEEPY JACKSON 2003・豪
オーストラリアのバンドでるスリーピー・ジャクソン。オーストラリアと言えば隣の国、ニュージーランドと並んでガレージ・ブーム。Jet、D4、ダットサンズ、みな素晴らしい「ガレージ・サウンド」を響かせるが・・・。
推薦?者:めぐめぐ氏
スリーピー・ジャクソンは、カントリーあり、フォークあり、打ち込みも少々。「ガレージ・サウンド」は見えてこない。楽曲から見えてくるものは美しくて繊細だが、「眠そうな」歌声だ。こういうバンドは以前にもいた。例えば、アイ・アム・クルート、ウイスキー・タウンなどオルタナ・カントリーである。スリーピー・ジャクソンもこの範疇に入ると思うし、ちょっとだけネオ・アコの雰囲気が出ている。が、アルバム全体通しての一貫性、衝撃度を欠いている作品にも思う。「なに」を強調したいのか、それがよくわからない。