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Beautiful Future/PRIMAL SCREAM 2008・英
PRIMAL SCREAMというバンドはそれこそ90年代前半から今日に至るまでメインストリームに居座り続ける数少ないロックバンドの一つだと思う。しかもその評価はわたしが知る限り、いい意味でも悪い意味でも全くもってかわっていない。その理由の一つが彼らが「カメレオンバンド」と言われる通り、ロックを軸に一つのジャンル=色に固定されることなくリリースする作品ごとに自分たちのやりたいことを渡り歩き、ロックファンのフックにもダンスミュージックファンのフックにもひっかかってきたからであろう。

今回はリアルタイムでは知らないので正しい言い方かわからないが、ここ最近の80年代回帰を思わせるようなローファイなダンスサウンドに仕上がっている。でもださくない。同じダンス系の作品『Evil Heat』『Xtrmntr』とは違いサウンドとしては違うが前作の『Riot City Blues』の明るさを引き継いでいる。タイトルからもわかるが・・・。

これはあくまで私の予想にすぎないが、PRIMALはある種いい意味でのおっさんロックバンドになりつつあるのではないだろうか。年を取ろうが時代と戦う、自分たちの音楽を追求するバンドは多いが、彼らの年齢やキャリア位でそういうことから降りるバンドも多い。降りるかもしくは多少肩の力を抜かないとこれ以上長いキャリアはを続けていけない部分もあると思う。実際に今までのテンションで音楽をやることに対して疲れてきている、迷いが生じているミュージシャンはいるのではないだろうか。最近特に90年代初頭に現れたミュージシャン達の再評価が進む中で今同じテンションでライブや音源のリリースができている人達が実は少ない(中には死んでしまった人もいるし)ことを考えると、うまくおっさん化したPRIMALは年を取るのが上手いバンドじゃないかと思えてくる。きっと彼らはしぶとくこのシーンに居続けるだろう。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 21:46 | comments(0) | - | - | - |
Riot City Blues/PRIMAL SCREAM 2006・英
世界を代表するカメレオンバンド・PRIMAL SCREAM。今回は前作・前々作のようなエレクトロニカ色の強い作品ではなく、正統派ロックで勝負してきた。。『Country Girl』の歌詞に代表されるように、エレクトロニカではなくロックの原点に戻ろうというのが彼らのスタンスなのだろうか。感想といえばとにかくすごすぎる。言葉では説明できないが、とにかくかっこいい。もともとキャリアをつんでいてうまい人たちなのだが、勢いが衰えることを彼らは知らない

わたし自身はPRIMALについてはごくごく最近『EXTERMINATOR』以降しか知らない。ライブもフェスで何度か見たことがあったけどちゃんと見たこともないしなあ。今後PRIMALについては過去にさかのぼって聴いてみようかと思う。来日公演に行かなかった自分にすごく後悔。今年を代表する傑作アルバムのひとつである。


推薦者:hammer 
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 11:38 | comments(0) | - | - | - |
Always Outnumbered, Never Outgunned/THE PRODIGY 2004・英
七年間。長い間。待った。プロディジーが帰って来た!あのケミブラ、アンダーワールドと共にテクノ三兄弟と言われたこともあった。プロディジーはテクノを越えてロックの領域まで、七年前、確実に達していた。前作「ザ・ファット・オブ・ザ・ランド」を思いだそう。恐ろしいテクノ・サウンド。畳み掛けるインダストリアル・テクノ・ノイズ。ガッツキまくりのラップ。特に名曲「ファイアースターター」のイっちゃたレベルはぶっとんでた。世界でチャート一位の嵐。もうクラブではとにかくかかりまくってた。それからダンサーの脱退などでなんと七年間、私たちは待たされたのだ。
でもプロディジーは帰って来た。すげぇアルバムを引っ提げて。進化したインダストリアル・サウンド、ハリウッド女優からオアシスの兄弟までゲストが豪華。印象は七年前と比べるとやや明るくなったかな。でも打ち込みがバシバシ入ってくる。明るい「ダウナ・スパイラル」!?いや!やっぱりプロディジー・サウンドだ!プロディジーを初めて聞く人、多いと思う。でもこれはテクノ・ファンには必須の一枚だろう。これを聞いて気に入ったら、ぜひ前作を聞いて欲しい。それもとんでもないアルバムだから。DJには必至のアルバムだ!

推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 21:39 | comments(0) | - | - | - |
Babyshamples/PETE DOHERTY 2004・英
シングル限定2000枚。リバーティンズのピーターはここのところ活動が盛んだ。ついにベイビーシャンブルズという歌を発表した。当初ベイビーシャンブルズはバンド名だと噂されていたが、曲の名前だったのだ。この作品は五月初旬にひっそりと(ファンはひっそりしてなかったが・・・)2000枚だけ発表された。私も買いため予約、予約の嵐だったが最終的にはなんとか一枚手に入れるに至った。すでにどこで検索してもオフィシャル・ページでは出てこず画像も消去された。しかし、裏では1000円だったシングルが安くて5000円で取り引きされている。

ピーターはこのシングル以外にもウォルフマンとコラボレートして「ラバーズ」という作品を発表しているが(こちらは買えます)B面でカールがギターで登場している。つまり、完全なソロとしてはこの「ベイビーシャンブルズ」だけなのである。で、内容だが「ベイビーシャンブルズ」はまさにリバーティンズを初めて聞いた時の感覚に陥った。疾走していく荒削りなギターにドラム、ベースが続く。ただそこにカールの声がないのだ。ちょっと寂しく感じたし、本体のリバーティンズが解散しないか心配である。Bはギター一本で歌っているが、途中で煙草を吸い始めるという、ある気の抜けた曲が入っていた。全三曲。思ったのは、ピーター、リバーティンズどうすんだ?ということであった。


推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 11:02 | comments(0) | - | - | - |
Musicology /PRINCE 2004・米
プリンス殿下!ファンクの最高の使い手であり、セクシャリティー溢れる歌詞を連発し、女性からだけでなく、男性からも高い支持を受けていた80年代、そしてプリンスから変なマークへと改名した90年代、徐々に殿下の支持は下がり始めた。それは宗教にとりつかれ、ライブにまで宗教を取り入れてしまった彼の失敗だった。常に彼が追い求めてきたファンクという姿勢が崩れ、恋人と宗教に溺れる日々・・・。こう書くとまるで殿下はジム・モリソンだが、そこまでいかないにしろ、殿下の人気は下がりっぱなしだったわけである。そして前作「レインボウ・チルドレン」からインディーズへ移行し、マークからプリンスという本来の名を名乗るようになったのである。「レインボウ・チルドレン」ではおしくも宗教の影響から脱することができない苦悩が音に表れていたファンクだけでなくジャスを取り入れたこの作品はプリンスの復活前夜のアルバムなのである。
そして今作、プリンスは帰って来た。完全なファンク・サウンド、一曲目の「ミュージコジー」は完全に宗教から抜け出した殿下がいる。インディーズからの配給ながらビルボード初登場三位!名実ともにプリンスはミュージックシーンへ帰って来たのである。

推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 10:57 | comments(0) | - | - | - |
Stories From the City, Stories From the Sea/P.J.HARVEY 2000・英
女性ロックミュージシャンは世間では評価が低い。BJORK、MADONNAは例外として例えばフジロックのトリを飾れるような人はなかなかいない。そういうのを男女差別だという人がいるが、わたしはそうは思わない。その原因のひとつが女性独特の「わたしワールド」にあるような気がする。ポップになろうとしてもなりきれない人が多いのではないだろうか。
P.J.HARVEYももちろんトリを飾れないと思うが、彼女の前では世間的評価は無用だ。彼女にも当然女性独特のいやらしさはあるし、むしろそういったいやらしさ満開である。(今作品も歌詞もサウンドもいやらしさであふれている。)けれどもP.J.HARVEYにはいやらしさだけでなく、日常に溶け込んでしまう普遍性もあると思う。サウンドにしろ、他のアーティストとのコラボレーションにせよ、自分の個性を生かしながらも相手の個性を殺さない。
すごく好きというわけではないが、ついついほとんどのアルバムをそろえてしまった。

推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 23:26 | comments(0) | - | - | - |
Flowers Of Romance/PUBLIC IMAGE LTD. 1981・英
81年発表のサード。この作品と前作メタル・ボックスがピルの最高傑作に位置するだろう。作品を包む雰囲気としては前作とはまったく違う。その一番の原因はベース・プレイヤー、ジャー・ウォーブルのピルからの脱退である。メタル・ボックスではもっぱら彼のベース・ラインが作品を包んでいた。レゲエ、ダブ的方法も彼の影響が強い。しかし、ソロを発表したジャーにたいしてライドンは快く思わなかったようだ。結局、この「フラワー・オブ・ロマンス」はベースレスでレコーディングされた。メタル・ボックスでは影に潜めていたライドンのボーカルが前に出て、一曲目から『アラー・アラー』の叫び声から始まっている。
作品全体を包む雰囲気はメタル・ボックスが「暗」であったにたいして「フラワー・オブ・ロマンス」は「陽」だ。陽気なダンスビートが鳴り響く、独特なエスニックな香りが各楽曲からしてくる。聞いていてとても楽しい気持ちになるアルバムだ。この後、ピルは活動を続けるがおそらくこの作品まででピルは『終わった』。メンバー交代の激しいピルは素晴らしい作品を作るのには向いていなかったのだろう。 
しかし、最近ライドンは再びセックスピストルズを再結成してパンク親父になってるが・・・あれはどうなんだろうか。でもライドンってそんな人なのかもしれない。セックスピストルズ聞いて、ピル聞くとそう思う。

推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 15:22 | comments(0) | - | - | - |
Metal Box/PUBLIC IMAGE LTD. 1980・英
80年に発表された。おそらくピルの最高傑作。メタル・ボックスというタイトルは当初、缶入りの三枚組だったためについたようだ。ライドンは音質にこだわる人物らしく、より音質の良い環境を作るためにこのようなスタイルをとったらしい。
さて作品の解説の前にピルの意味を理解することにしよう。公的に限定されたイメージとは何か。それは我々が知ることができる情報そのものなのだ。ライドンはロックは常に限定されたイメージの中で聴者に訴えていることを認識し、このバンド名をつけたのだ。
作品の内容はファーストから、さらにロックは解体され、ないといっていいメロディ、即興性に富んだリズム・ラインが作品全体を支配している。一曲目のアルバトロスに代表されるライドンのボーカルはもはやベース・ラインの影に隠れている。このベースを担当しているジャー・ウォーブルは天才だ。アルバトロスのベース・プレイは凄すぎる。レゲエやダブ的方法を上手く使いつつ、ライドンの『ロックは死んだ』は体言されることになったのである。
私はこの作品を思い出したように、たまに聞くがやっぱりこんな凄いアルバムは少ないと思う。聞くべし。

推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 15:21 | comments(0) | - | - | - |
Pubilic Image Limited/PUBLIC IMAGE LTD. 1979・英
セックスピストルズが解散した78年、ボーカルだったジョン・ライドンはすぐに次ぎのステップへ向かった。それがパブリック・イメージ・リミテッドと言うバンドの誕生であった。
このバンドはライドンのパンクへの反抗をコンセプトにロックの解体を主体においた音作りをしていくことになる。いわゆるポスト・パンクの誕生がピルの誕生を意味していたと言って良いだろう。楽曲は徹底的に解体されたパズルのようになっている。しかし、その中にライドンが考えるロックの本質がワン・ピースでも発見できれば、この作品はとてつもない圧倒性を持つことになる。また、ピルのファーストである今作はライドンのロック・ビジネスへの批判でもある。セックスピストルズを商品としてしか価値を見いだすことのできなかったライドンは思考性をアブストラクトな方向へ向けることで完全にロック・ビジネスと縁を切ることになったのだ。そういう意味でもこの作品は記念碑的な意味をもっている。全くホップじゃない。だけどそこにある大切な『何か』に気づくことができれば、あなたにとってこの作品は重要なものになるだろう。

推薦者:めぐめぐ氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 15:20 | comments(0) | - | - | - |
Tug Of War/PAUL McCARTNEY 1982・英
皆さんにとって勇気をもらったり、元気をくれたりする歌はありますか?僕は人と上手くいかなくなった時に聞く歌があります。それはトラック12に収録されている『EBONY AND IVORY』です。これはスティービーワンダーとのテ゛ュエットソングです。シングルカットされ、米シングルチャートに7週連続、英でも3週連続ナンバー1に輝いた名曲です。音楽的な革新性はありませんが、メロディーは上質なポップソングです。僕はこの歌詞がたまらなく好きで高校生の頃からいままでずーっと聞き続けている曲です。
歌のメインとなる部分を抜粋すると・・・
「Ebony and ivory
Live togerther in perfect harmony
Side by side on piano keyboard
Oh Lord, why don't we?」

和訳
「エボリーとアイボリーは
完全な調和を保ちながら
ピアノの鍵盤の上に並んでいる
おお神よ、なぜ僕らにそれが出来ないのだろうか?」

エボリーはピアノの黒鍵でありアイボリーは白鍵です。ポールは当時、色強く残る黒人差別問題をとりあげ、ピアノの音色はエボリー(黒鍵)とアイボリー(白鍵)の協調により
美しく強い音楽を作り出すものである。我々人類はなぜそれ(人種平等)ができないのだろうと深く嘆いている歌です。

またここでは黒鍵=黒人=スティービー
      白鍵=白人=ポール
という設定で演出していてあらためて上手いものだなあと感心しちゃいます。

僕はそこまで深い視点で世の中を生きていないので、軽く受け取り大事な友人や人、尊敬している人との関係がおかしくなったらこの曲を聞き「協調」の深い意味の一部を考えたりします。

その他にも、『Take It Away』『Somebody who cares』『Wanderlust』などポールらしい名曲が詰まっている傑作アルバムです。

世間ではソロ時代のポールの評価は低いものでつくづく悔しい思いをしています。「ポールマッカートニー」は「ピカソ」や「エジソン」などと同等の「偉人」であり、その形成はビートルズ時代によるものだけではないと僕は考えています。


推薦者:n_n氏
| hammer | ディスクレビュー-洋楽P | 21:50 | comments(0) | - | - | - |