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Parallel Lines/BLONDIE 1978・米
このブログでも書いているのだが、近年の音楽シーンの質的低下が著しいため、新しい音源を探ることはなくなった。その代わり、昔の名作をちょこちょこ聴くようになった。BLONDIEもそんなバンドの一つだ。

BLONDIE(第一次)はわたしが生まれる前に解散しているので、当然リアルタイムでは知らない。ただ、わたしが好きなGarbageのシャーリー・マンソンが昔インタビューで絶賛していたので知っている。まだまだ女性ミュージシャンが生きづらかった時代、デボラ・ハリーが魅力的なのは言うまでもないが)女性ということを武器にもせずに(いい音楽を作っていたバンドなのだろう。Garbageだけではなく、アイドルポップやSHONEN KNIFEに至るまで親しみやすい「女の子」が作る楽曲に大きな影響を与えたことが1曲1曲からよくわかる。

BLONDIEの代表作とも言える本アルバムもそうだが、誰にでも覚えやすいメロディでありそれが時を経ても愛される秘訣なのだと思う。よくわたしがTHE BEATLESを評価するときに使うのが「メロディラインがしっかりしてるから、どのようなジャンルに編曲しても違和感がなくBGMとして日常にとけ込む」という表現なのだがこのアルバムも同じことが言える。キッチンで思わず口ずさんでしまうような曲が、単純ではあるが息が長いのだろう。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 23:01 | comments(0) | - | - | - |
Leisure/BLUR 1991・英
BJORKと違って、バンドとしての彼らの原点というよりもむしろ「当時のイギリスのミュージックシーンの縮図」を1枚のアルバムで体現してしまったのがこのBLURの1stだと思います。マッドチェスター、シューゲイザー、そしてブリットポップへと飛躍する胎動期にリリースされたこのアルバムを聴けば、「80年代末期から90年代初期UKロックってこういうことなのね」と理解するには手っ取り早いです。

もちろん1stアルバム特有の「これまでのキャリアのベスト盤」的側面は多いにあり、1曲1曲の多彩さポップさ可愛さありの(ルックスは差し引いても)当時アイドル扱いされるのは仕方ないよね〜とちょっと同情してしまうところもあるけど、これ以後の彼らの作品の変遷を見ると「ああ、ここが原点だったのですか」と納得してしまったり。 しかし、これ以後のBLURの成長っぷりはたぶんこれまでの他のバンドと比べても類を見ないでしょう。

当時ライバルと言われたOASISは1stが頂点でそれをどれだけ維持するかで勝負したバンドだと思うけど、BLURはその真逆だと思います。そんなに有名な曲が多い訳ではないですが、このアルバム聴いたことないなあという人はぜひ聴いてみてください。買って損はないと思います。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 16:01 | comments(0) | - | - | - |
Debut/BJORK 1993・アイスランド
その後どんなにすばらしい名作を生み出したとしても、デビュー作はそのミュージシャンには1作しかない。今や世界を代表する歌姫となったBJORKのソロデビュー作。『Human Behaviour』や『Venus as a Boy』他BJORKの代表作がいくつかおさめられている。アルバムのコンセプトとかそういうアーティスティックな一面よりもむしろ「これが表現したい」というそのときの彼女の思いがパッケージングされている。ばりばりの荒削りの原石の集合体ともいうべきか。いろんな形でのその後もBJORKは数々の名作を生み出し続けロックを超えて音楽世界に君臨するのだが、そういういかにも「アーティスト」汚れしていく前の野生児(今もそうだが)BJORKがここにあるという気がする。狂気じみているのはいつもだけど、それが「アーティスト」としてのパフォーマンスになる前の手加減(そこまで爆発はしていないのよ)みたいなのも感じられるし。

こんなこと書いたら宗教じみた狂信的なファンから殺されるかもしれないけど、「不思議ちゃん」もいくとこまで行くとすごいことになるんだなと思う。元々クラシックの世界から入ってその型を否定し、自分の個性をもぎ取って来た天才とは、ことばで表現することが非常に難しい。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 15:42 | comments(0) | - | - | - |
Box Of Secrets/BLOOD RED SHOES 2008・英
男女2人組のガレージ系バンドといえばTHE WHITE STRIPESと比べられがちだが、はっきりいって比べられるようなレベルではない。THE WHITE STRIPESはやはりJACK WHITEという鬼才により作られた類い稀な産物である。あくまでMEG WHITEはJACKが作った世界を構成する一つの部品にすぎないと思う。(ただし、すごく貴重で欠くことができないものだが。)

ただ、このBLOOD RED SHOES自体はあくまで二人の関係が対等であり、その個性の出方も大きく異なる。曲によって彼らの才能のぶつけ合い(特にアルバムの後半)が見られるのはとても面白い。このような傾向は曲調は全く異なるがTHE TING TINGSにも言えることだ。最近の若手バンドは、突出した才能を持つ一人のメンバーに頼るのではなく、メンバーの対等性みたいなものみたいなものを感じることが多い。 

突出した才能を持つ所謂「鬼才」と言える人達が、2000年代後半からあまり出てこなくなった。それと同時に若手の「対等バンド」が多く出始めた。それはそれでいいのだろうが、若手バンドらが今後長く続いていけるのかは今はまだ不透明である。 


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 17:27 | comments(0) | - | - | - |
Shotter's Nation/BABY SHAMBLES 2007・英
無駄に世間をにぎわせているPete DohertyのBABY SHAMBLESの2nd。1stの孤独で退廃的な雰囲気とは打って変わってポップなアルバムに仕上がっている。独特のゆるさは変わらないが、Peteの甘い声とサウンドがうまくマッチしていてのんびりしたいときにはうってつけである。元文学少年ということを彷彿させる叙情性も豊かだ。

THE LIBERTINESはPeteの甘さとCarlのシャープさがうまく融合していたバンドといえるかもしれない。2004年に事実上「解散」してからのそれぞれのプロジェクト(BABY SHAMBLES、DIRTY PRETTY THINGS)の音を聴くとその違いがクリアになっている。お互いのバンドも悪くはないけど、やはりあのTHE LIBERTINESは奇跡だったのかなあ。 

今夏日程やステージは異なるが、彼らは同じReadingに立つ。それぞれの成長ぶり(もしかしたら退化ぶり)を目撃できることは光栄だと思う。というか、未だに彼らがちゃんと本国イギリスで評価されてるということ自体すごいかも。 


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 09:59 | comments(0) | - | - | - |
Future Embrace/BILLY CORGAN 2005・米
自分ひとりですさまじい音楽を作り上げてしまう人もいるが、多くのミュージシャンは人の才能をうまく取り入れることでその才能を大きく切り開いている。例えばBECKなんかも才能はすさまじいが多くのミュージシャンやプロデューサーとコラボレートすることでその可能性を広げている。THE SMASHING PUMPKINSのBILLYももちろんそういうタイプの人であり、彼の才能はTHE SMASHING PUMPKINSという器が合ったからこそ開花したのかもしれない。申し訳ないが彼のソロアルバムはそう思わざるを得なかった。

サウンドとしてはスマパンの『Adore』に近い。ロックミュージックというより比較的ダークな重ためのダンスミュージックという感じがする。BILLYの声自体は特徴的だが主張はそこまでつよくないためいろんな曲にあいやすいのではないかと思う。 

今度スマパンが再結成するということだが、どうなるのだろう。BILLYの才能をより広げてくれるものであることをファンとしては願うのみである。 


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 22:34 | comments(0) | - | - | - |
Crazy Itch Radio/BASEMENT JAXX 2006・英
朝霧JAMのひそかなる楽しみとして、か〜るの運転する車のBGMというのがある。わたしが見落としていたミュージシャン達の音楽がそこで流れることもあり、意外と朝霧本体よりも音楽的な発見があったりする。今年は恥ずかしながら今更といった感じのBASEMENT JAXXだった。

『Crazy Itch Radio』という仮想ラジオ局のある番組のオンエアーという設定。山あり谷ありの音楽たちで、本当に車の中で聴きたいようなアルバムである。ラジオというだけあっていつかけてもどこを聴いても入っていきやすい。しかもただ曲を垂れ流しているのではなく、限られた時間の中でオープニングからエンディングに至るまでリスナーを飽きさせないような構成になっているのが楽しい。途中MCっぽいのもあるし。でもラジオ局というよりもミュージカルを見ているような感じもする。 

女性のVoがフューチャーされているが、ライブではどういうパフォーマンスになるのだろうか。1月の来日に行ってみたいけどたぶん仕事なんだろうな。 


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 21:43 | comments(0) | - | - | - |
Cheap Thrills/BIG BROTHER AND THE HOLDING COMPANY 1968・米
伝説のモンタレー・フェスに参加してから1年後に発表されたいわばJanis Joplinの1stといってよいアルバムである。『Summertime』『Piece Of My Heart』といったJanisの代表作が収められている。

Bluesの女王という名を持つJanisだが、バンドのアルバムということもあり、どちらかというとロック色の強いアルバムになっている。しゃがれ声のJanisというのはこのアルバムでつけられたのでないだろうか。バンドでありながらもJanisの3枚のオリジナルアルバムの中でanis自身の声が一番引き立っているのではないかと思う。特に1曲目の『Combination Of The Two』のラストの高音はよく出るよなあ。 

しかし『I Need A Man To Love』のようなストレートすぎる歌詞やタイトルはこの時代に受け入れられたとは思えない。ただでさえロックを聴くのは不良だといわれた時代。彼女が自分に正直であろうとすればするほど、世の中から避けずまれていったのではないだろうか。そう思って聴くとちょっと厳かな1枚になる。 


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 00:07 | comments(0) | - | - | - |
The Information/BECK 2006・米
世界中でCD売り上げランキング対象外となったのはあまりにもばかげていると思う。BECKのCDがあたらしい音が聴きたいからわたしたちはBECKのCDを買うわけであって、DVDがついているからシールがたくさんついているからといってCDを買う理由にはならない。

そういうくだらない議論はさておき、今回の新作はBECKの作品の中でもっとも彼が自由な作品だと思う。アコースティックからヒップホップに至るまであらゆるサウンドを発表してきたBECKだが、「今回はこのアルバム1枚の中で本当に自分のやりたいことを全部やりました」というのがひしひしと感じられる。今回はアコースティック系、今回はダンス系と色分けしているのではなくBECKの一番濃厚な部分が凝縮されている。マニアックすぎるところがあるのが玉にキズだが、それでも彼は彼の感性を大事にし、いい音を届けようと愚直にレコーディングに励んだのだと思うと一ファンとしてとてもうれしい。

MySpaceでもBECKはページを持っているが、かなり頻繁に更新してくれていて音楽製作にとどまらず「おもしろいことをたえることなくやり続けよう」という彼の姿勢には非常に共感できる。 


推薦者:hammer  
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 00:39 | comments(0) | - | - | - |
Down In Albion/BABY SHAMBLES 2005・英
Pete Dohertyといえば今や現代のヤク中ロッカーの代名詞になってしまったが、もともとTHE LIBERTINESの片割れとしてデビュー当時はスキャンダルではなくその音楽性で話題になった人だと思っている。日本デビュー前にTHE LIBERTINESを観る機会があり、1stの『Up The Bracket』が出る前から大ファンだったわたしは、Peteのドラッグ問題やその後Baby Shambles結成、THE LIBERTINES活動中止は非常に心を痛めていた。

前置きがずいぶん長くなってしまったが、Peteの率いるこのBABY SHAMBLESのアルバムはある種ドラッグ中毒のPeteそのもののように思えてきて、特に『Fuck Forever』を精神的にやばいときに聴くと発狂しそうになる。1曲目から5曲目くらいまでは普通に聴けるのだがアルバムが進むにつれて混沌としてて青黒くにごっているような気がする。病んでいる人間特有のにおいがアルバム全体から流れ出してきていて朝のBGMとしては大変よろしくない。痛々しい。

今はPeteはドラッグから抜け出し更生しようとしているが果たして次はうまくいくのだろうか。以前は薬抜きで曲を書けない状態にあったと聞く。ソロでもいいし、BABY SHAMBLESでもいいから正気のPeteの音楽がリリースされた暁には本作品と聴き比べてみたい。彼は狂人なのか天才なのか、わたしは後者に賭けてみたい。


推薦者:hammer
| hammer | ディスクレビュー-洋楽B | 21:25 | comments(0) | - | - | - |