勝手に音楽批評Webサイト カルチャア
洋邦ロックを中心に勝手に音楽批評。昔は音楽のみでしたが、他のことも書いてます。
2009.09.23 Wednesday
ニューイヤー・コンサート1989/Carlos Kleiber&Wiener Philharmoniker 1989・オーストリア
ウイーンフィルのニューイヤーコンサートといえば、チケットを手に入れるのがきわめて困難なコンサートの一つだ。毎年シュトラウス一家の曲を中心に、ウイーンフィルと楽団員からの投票で選ばれた指揮者が新年を祝う。ちなみに日本人では小沢征爾が2002年に舞台に上がっている。2010年はジョルジュ・プレートル(仏)。
カルロス・クライバーは1989年と1992年に指揮者に選ばれており、その音源及び映像がリリースされており今なお新たなファンを開拓している。クライバーは1930年ベルリンに生まれ、後にオーストリア国籍を取得、2004年にスロベニアで亡くなっている。演奏会及びレコーディングが極端に少ない指揮者であるが、動きが優雅で、大胆、華のある指揮者と言われている。真意は定かではないが、かのカラヤンが自分より目立つ指揮者を裏で妨害した際の、ターゲットとなった一人だとも。
このクライバーのニューイヤーコンサートだが、演奏に外れはなくすばらしいのだが、観客の反応も同時に楽しめるところがいい。例えば『こうもり 序曲』のような名演での拍手と、悪くはないんだけどなあ・・・というものについては拍手が全く異なる。ノリさえ違うのがCDを通じてわかる。ウイーン市民の耳の肥えようが伺える。さすがクラシックの国に生まれた人と我々は違う。
クライバー自身オペラ特に喜劇『薔薇の騎士』等で定評があるだけあって、『こうもり 序曲』や『騎士バズマン チャルダーシュ』等の音は生き生きとしていて、豪華。まさにこれぞニューイヤーという感じだ。同じオケでも指揮者が違うとこれほど違うのかと思えてくる。You Tubeでも楽しめるがDVDを買って観たいと思わせる指揮者だ。ちなみに現在でもニューイヤーコンサートは生中継ではないかもしれないがNHKで放送してくれているので、来年はチェックしたい。(クライバー達が活躍していた時代よりもつまらない、と言われているらしいが。)
推薦者:hammer
カルロス・クライバーは1989年と1992年に指揮者に選ばれており、その音源及び映像がリリースされており今なお新たなファンを開拓している。クライバーは1930年ベルリンに生まれ、後にオーストリア国籍を取得、2004年にスロベニアで亡くなっている。演奏会及びレコーディングが極端に少ない指揮者であるが、動きが優雅で、大胆、華のある指揮者と言われている。真意は定かではないが、かのカラヤンが自分より目立つ指揮者を裏で妨害した際の、ターゲットとなった一人だとも。
このクライバーのニューイヤーコンサートだが、演奏に外れはなくすばらしいのだが、観客の反応も同時に楽しめるところがいい。例えば『こうもり 序曲』のような名演での拍手と、悪くはないんだけどなあ・・・というものについては拍手が全く異なる。ノリさえ違うのがCDを通じてわかる。ウイーン市民の耳の肥えようが伺える。さすがクラシックの国に生まれた人と我々は違う。
クライバー自身オペラ特に喜劇『薔薇の騎士』等で定評があるだけあって、『こうもり 序曲』や『騎士バズマン チャルダーシュ』等の音は生き生きとしていて、豪華。まさにこれぞニューイヤーという感じだ。同じオケでも指揮者が違うとこれほど違うのかと思えてくる。You Tubeでも楽しめるがDVDを買って観たいと思わせる指揮者だ。ちなみに現在でもニューイヤーコンサートは生中継ではないかもしれないがNHKで放送してくれているので、来年はチェックしたい。(クライバー達が活躍していた時代よりもつまらない、と言われているらしいが。)
推薦者:hammer
2008.09.29 Monday
The Collection 1/MARTHA ARGERICH 2008・アルゼンチン
ピアノ界の女傑・アルゲリッチの8枚組ソロ集大成である。65年にショパン国際コンクールで優勝したのはあまりにも有名だが、ショパンだけではなくシューマン、シューベルト、バッハ、リスト、ブラームス、ラヴェル等様々な作曲家の作品をレパートリーとして持っている。基本的に彼女の曲のテンポは極めて速いが、ピアノの鍵盤を無駄なく奥深くまで弾ききり、激しさ/優しさ/暖かさ/冷たさを自在に操り、聴かせどころのツボを本当に理解していると思う。リタルダンドでのテンポの落とし方、スタッカートの切り方どの切口においても決して期待を裏切らない。
クラシックの世界に興味を持ってる人がいたら、いろんなピアニストの演奏を聴いた後一番最後にアルゲリッチを聴いてほしい。そこには他のピアニストにはない何かがあるから。
そしてアルゲリッチが最も力を入れている協奏曲と室内楽のコレクションが来年リリースとのこと。ラヴェルのト長調やラフマニノフの3番が聴けるのだろう。本当に楽しみ。
推薦者:hammer
クラシックの世界に興味を持ってる人がいたら、いろんなピアニストの演奏を聴いた後一番最後にアルゲリッチを聴いてほしい。そこには他のピアニストにはない何かがあるから。
そしてアルゲリッチが最も力を入れている協奏曲と室内楽のコレクションが来年リリースとのこと。ラヴェルのト長調やラフマニノフの3番が聴けるのだろう。本当に楽しみ。
推薦者:hammer
2006.08.28 Monday
Chopin: Piano Works: Martha Argerich The LEGENDARY 1965 RECORDING/Martha Argerich 1965・アルゼンチン
「英雄」という言葉を聞くとあなたはどのようなイメージを思い浮かべるだろう。わたしはひねくれているためか、非常に胡散臭いイメージを持ってしまう。わたしは歴史には疎いほうだが、かつて人類の歴史の中で「英雄」としてもてはやされた人は「英雄」というよりも独裁者の色が濃いように思う。
さて、このショパンの『英雄ポロネーズ』だが、ポリーニやアシュケナージと比べてアルゲリッチのそれは群を抜いてすばらしいと思う。彼女がどう思っていたか知らないが、卓越したテクニックと彼女特有の奔放さが調和して、威厳を感じさせようとする英雄と英雄に対して大手を振りながらも影では小ばかにしている民衆がとてもシュールに描かれているようで気持ちがいい。ショパン自身は内乱のため祖国を追われ、パリで祖国ポーランドを思い続けたという。特に『英雄』をはじめとしたポロネーズにはショパンの祖国愛が深くこめられているそうだ。ショパンのみならず音楽は世相を表していることが多い。ただ聴くだけではなくその背景にあるものを感じ取るようにすればますます音楽は面白くなるのではないだろうか。
推薦者:hammer