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SPITZ JAMBOREE TOUR 2013-2014 “小さな生き物”
日時:2013年11月1日(金)
場所:市川市文化会館

久々のスピッツアルバムツアーである。前回が震災の年だったから、2年半ぶりである。今回のアルバム自体がそんなに好きな作品でもなかったことと、ある程度スピッツのライブに行き慣れていることもあり、期待以上とかそういうことはなかった。特に今回は記念すべきツアー初日であったため、予想はしていたがメンバーが演奏し慣れていなかった(ただ、それでがっかりということもなく、年々ライブの腕を上げているので、十分楽しめた)。

選曲は新作主体で新作に合う過去の作品や、ライブの定番曲をちりばめている。MCもいつも通り天然でロックバンドと言えない位ユルい。舞台セットのアートも微妙に凝っている。スピッツのホールライブに行った人ならわかる、いつも通りのスピッツだった。 ただ、これまでと異なるなと思ったのは、年齢層が明らかに広がっているということ。明らかに還暦を過ぎたであろう女性や、『ロビンソン』をリアルタイムで聴いていないこと間違いなしの小学生(もちろん親同伴。ファンになったのも親の影響に違いない)等、ファン層が10%上下に広がっている印象を受けた。

あとはわたし個人の違いといえば、今回悲願の単独公演参加のgouさんが同行したことだろう。市川市民会館(スピッツは小さなホールでやりがち。そのため首都圏、関西圏ではチケット確保が激戦となる)という、都心からずいぶん離れた会場までわざわそ駆けつけていただいた。彼も大満足だったので、お誘いした甲斐があった。 今後もツアーのたびにライブに参加したい。普通にライブとしては一ファンとして楽しいだけではなく、またファン層がどれだけ変わったか、演奏力がどれだけ上がったか、マサムネの声はいつまで出るのか等ファンとしては楽しみである。

しかし生で聴くと、ベースラインの複雑さがよくわかる。田村ってあれだけ1人激しく踊りながら、あのラインを弾けるなんてすごいなあ。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 22:38 | comments(0) | - | - | - |
宮田よしX'mas JAZZ NIGHT
日時:2011年12月24日(土)
場所:
House of Blues 船橋 無国籍料理 月

11月に船橋駅前の路上ライブでお会いした、宮田よしさん(Sax)と堀江洋賀さん(G)が出演するライブに行って来た。SaxとGという異色の組み合わせだったが、非常に心温まる演奏だったのが印象的だった。その後ライブのお誘いをいただいた。あとはもともと「月」には行ってみたいと思っていたが、なかなかきっかけがなかったのでそれもよかった。

今回のライブもアットホームで、居心地のいいものだった。音楽と人とのつながりを大事にする姿勢はThe Culture Partyに通じるものもあって、とても共感ができた。

店の雰囲気もとてもよかったし、メリハリが利いていて聴かせどころがあって、ノリもよく、長過ぎず、会場にいたいろんなお客さん皆が楽しめる肩肘張らない聴きやすい音楽だった。特に宮田さんのSaxはマイクが多分ないんだろうけど、パワフルでソロの度に聴き入った。どうやってあの音を出しているんだろう。寝る前まで耳から離れなかった。力強い女性Vo.の西さんは、子育てが一段落して歌い始めてまだ5年だそう。自分の生活スタイルにあわせて、好きなことができるとはいい。

2セットめでは、お客さんをステージにあげてセッション。いろんな方がいらっしゃったが、音楽を通じて一人一人を大切にする宮田さんの思いが伝わってくるものだった。

「月」は料理のボリュームも多くおいしくいただいた。もっと早く来るべきだった。3月に閉店してしまうそうなので、それまでにまた足を運んでみたい。また、宮田さん達のライブにもぜひ足を運んでみたいし、ゲストとしてThe Culture Partyにも来ていただきたい。

Miyata Yoshi Official Web Site http://miyatayoshi.web.fc2.com/
House of Blues 船橋 無国籍料理 月 http://www.blues-tsuki.com/index.html
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 09:20 | comments(0) | - | - | - |
SPITZ JAMBOREE TOUR "TOGEMARU2011"
日時:2011年4月13日(水)&14日(木)
場所:NHKホール

「スピッツ 草野マサムネ 急性ストレス障害のため、ツアー一部中止」そんなニュースが3月末に駆け巡った。マサムネは意外と風邪を引きやすく以前も一度延期になったことがあるので、驚かなかったが今回は東日本大震災による急性ストレス障害だという。NHKホールからスタート予定とオフィシャルHPにはあったが、直前までヒヤヒヤした。

結局その後のツアーは予定通り開始。(他のミュージシャン同様デビュー20周年を記念したDVD等のリリースも震災の影響で延期になる等あった)「こんばんは、スピッツです」(だったっけ?)と客席三方向に対してお辞儀し、比較的アップテンポの曲をやれば「俺ら、ロックっぽくね?」等といつもの声でのんびり言われると、本当に精神的に参っていたのかと思われるほど。始まる前までは心配だったが、始まればいつものスピッツだった。MCがゆるい。

曲は『とげまる』中心。今回は震災を反映してか、『とげまる』の中でも明るい曲が多かったと思う。同行はいつも同様会社の先輩・あみさんだったが、彼は『とげまる』がかなりお気に召しているようなので、かなり楽しめた様子。デビュー20周年ということもあり、古い曲を特集するコーナーも。あとは、ミリオンセラーとなった『ロビンソン』『チェリー』(13日アンコール)、『空も飛べるはず』(14日アンコール)等。個人的にはスピッツはキャッチーなシングル曲よりアルバム曲の方が好きだ。

スピッツのライブは考えてみればほぼ毎年行っているので、「やられた」感は正直ないが、マサムネが歌うまくなったなあといつも思う。あとは今回はNHKホールだったので、音響がとてもよくて満足。Tシャツ(とげまるイラストTシャツ)もかわいいものが買えた。

ホールで見るのはこれで2回目。次回はZepp等スタンディングで観てみたい。来年はファンクラブ限定「GO!GO!スカンジナビア」をやるらしいので、当たるといいなあ。しかし結成以来メンバーチェンジなし、活動休止なしとは他のバンドでもなかなかなさそうだ。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 22:57 | comments(0) | - | - | - |
The Alan Smithy Band presents Echoes of 10 Years
日時:2010年5月15日(土)19:00〜
場所:STAR PINE'S CAFE


実に久しぶりにTHE ALAN SMITHY BANDが東京へやってきた。初めて彼らのライブを観たのは、友達のバンドの対バンだった。かれこれ9年わたしのファン歴も長いもんだ。さて、彼らの結成10周年を記念して新譜をひっさげてライブが行われた。しかもわたしの好きなSTAR PINE'S CAFE@吉祥寺。これは行くしかない。悠とぼっつにも声をかけ3人で出かける。

今回はOHIO101とサンタラという、またいい組み合わせ。OHIOは3年くらい前にこれまたAlan Smithyの対バンで観たのだが、明らかに今回の方がいい。3人だけど音が厚い。上手いのはもちろんだが、曲にあたたかみが出ている気がする。音自体は結構ヘビーなのだが。彼らの自分たちの音楽への愛情みたいなものが感じられた。1曲1曲は結構短い気がするが、気がつけば1時間たっていた。Vo.の鈴木さんはわたしが高校時代結構好きだったフラワーカンパニーズの鈴木圭介の弟さんだそうだ。まじめにCDを買って聴いてみよう。

続いてAlanSmithy。こういうときに限ってBa.のすぎやんは骨折というとても面白いことをやってくれる。フロント3人は替わっていないが、Drは結構歴代替わっている。(たぶん歴代のDrのライブをすべてわたしは観ているんじゃないか?)もとやんは初。包容力のあるドラマーだと思った。新譜中心だが、『青春マギー』『Snow Man』といった中期の曲もやってくれた。初期の名曲がちょっと少なくて残念だが、近年の曲(『Out of Control』や『Looking at you』)はちょっとゆるいファンキーさが増した感があって新譜に収録されていて聴いたことがなくても乗れる曲が多い。あとはAlanSmithyのライブと言えばMCのおもしろさ。ヒデ/ヨウジ氏の絶妙なかけあいが観るものの笑いを誘う。すぎやんがいればもっとおもしろいのにと思う。でもサポートBaの人もいいよなあ。すぎやんが怪我でもいい人を捕まえられるのは、AlanSmithyの力だろう。

スペシャルゲストのサンタラ。キョウコちゃんの声はいつ聴いてもいい。『三番目の恋人』をAlanSmithyとのセッションで聴けると思わなかった。キョウコちゃんの黒のカットソーが可愛い。ヨウジ氏と砂田さんは雰囲気がよく似ていると思っていたら、会ったらいつも二人で食事にいったりするらしい。もうちょっとサンタラの曲が聴きたかったなあと思うが、サンタラの単独にそういえば行ったことがないので、今後は行くようにしよう。

悠もぼっつもかなり楽しんだらしい。それが何よりも嬉しい。こういう地道にファンを増やす活動はファンにとってもバンドにとっても重要。「スタジオ行きたくなって来た」とのこと。こちらも創作意欲がわいてきたので、いつかステージにたてるようがんばりたいと思います。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 14:51 | comments(2) | - | - | - |
Quasimode@東京 Blue Note Tokyo
日時:2009年3月22日(日)18:30〜
場所:Blue Note Tokyo

Blue Note Tokyo。Blue Note自体は大阪以来だから7年ぶりになる。Jazz好きの五郎兵衛・風来坊さんに連れられ、斗奈快さんとKOICHIさんの4人で出かけた。

まずBlue Noteはご飯にいろんな種類があり、値段は少し張るがおいしい。ちょっとせまいレストランの一角にステージを設けたというか、ライブハウスにレストランを敷き詰めましたというかそんな感じ。オープンして間がないからかかなりきれいだ。

さて、音楽だが。。。Quasimodeはピアノがリーダーでメインのバンドらしいが、一番今ひとつなのがピアノだった。逆にパーカッション、ドラム、ベースが上手すぎるため浮いてしまう。リズム隊がテクニック重視の固めの音を出すから、ピアノはもっとメロディアスな感じの方がしっくりくるのではないかと思った。また、これはPAの問題かもしれないが、ホーンセクションはもっと音を大きくかつエコーを利かせた方がよい。(ただ、音自体はリズム隊と対照的にちょっと太めで甘めの音なのでよかった。)ピアノをメインでやるならばピアノのテクニックではなく芸術性を上げないと厳しいかもしれない。金属的すぎて方向性をちょっとチェンジしなければ長く続けるのはしんどいかもしれない。

Blue Note自体は音もいいし座ってのんびり聴けるのでそこはよかった。あと、肝心のQuasimodeよりも4月に来日するMichel Camiloの映像に釘付けになった。今もYou Tubeを観ているが、カッコイイ。クラシックでいえばアルゲリッチみたいな超絶テクニックと感性を併せ持ったピアニストだ。またBlue Noteへ行こうか。ちなみにMichel Camiloの映像はこちらから。

| hammer | ライブレポ-邦楽 | 22:18 | comments(0) | - | - | - |
SPITZ JAMBOREE TOUR 2009 "さざなみOTR カスタム"
日時:2009年1月17日(土)18:00
場所:さいたまスーパーアリーナ


スピッツだがついにアリーナ公演をやると聞いて少なからずショックだった。スピッツは小箱(東京ならZEPP、NHKホール、大阪もZEPP、フェスティバルホールとか)でしかやらないというイメージが強かったし、アリーナなんて似合うんだろうかと思った。ただ、上京して一度もスピッツのチケットがとれずにがっくりきているのも事実だった。

わたしの家には洋邦クラシック等併せて500枚以上のCDがある。その中で一番好きなミュージシャンは誰ですかと聞かれたら、スピッツと答えるだろう。スピッツを聴き始めたのは13歳の秋だったから、わたしの人生の少なくみても半分以上はスピッツを聴いていることになる。どの曲を聴いてもどのアルバムに入っているかはわかる自信はある。

そこまで好きなんだからそのバンドの歴史的な瞬間に立ち会いたいとも思い、チケットをとった。ちなみにわたし同様大のスピッツ好きで、わたしが入社してから一番お世話になった人の一人である先輩のあみさんと一緒に行けるのもよかった。あみさんもわたしと同じくらいスピッツファンにも関わらず生で観たことがないというので、彼の歴史的瞬間にも立ち会えたのもまた、よかった。

さて、さいたま新都心。二人とも仕事で慣れ親しんだ街である。「昔、アリーナからたくさんの人が出てくるのを見てましたが、初めて出てくる側になりましたよ。」とあみさんはウキウキしている。物販もTシャツは既にソールドアウト。隣のあみさんは颯爽とオフィシャルブックをゲットしている。インディーズ時代のフライヤーや全公演のセットリストが載っているというかなりのレアものである。スピッツが出てくるまでの間、席でその本を見ながら昔のメンバーの写真を見て「若い。」とつぶやいたり、わたしの昔の公演のセットリストを見て懐かしむ等テンションが上げていた。

1曲目は『ルキンフォー』。初のアリーナでメンバーの緊張が伝わる。正直3曲目の『けもの道』位までは会場の音響にも慣れていなくて、ヒヤヒヤした。昔の大阪厚生年金みたいなドキドキ感とは違ったドキドキだった。ただ、『桃』とか『不思議』とか『さざなみCD』の曲をやるごとに彼らのペースに乗っていって、PAさんもおそらく慣れていってよくなっていった。

MCはかなり堅め。おそらく「すべらない話」とは一生ご縁がないだろうと思える彼らのトークはいつもに増して冴えなかった。テツヤ(G)が緊張しすぎていたのか、突っ込みがイマイチだった。ただ、40すぎても独特の初々しさは何とも言えず微笑ましい。

セットリストはよかった。初アリーナとはいいつつも、あくまで「さざなみOTR」で、『さざなみCD』の曲が中心。おそらく『魔法のコトバ』と『トビウオ』以外の全部の曲はやったのではないかな。あとは『ロビンソン』や『チェリー』といったメガヒット曲や『スパイダー』、『俺のすべて』、『恋のうた』といった人気の高い曲をうまく挟んだ感じ。(『スパイダー』についてはちょっとやり慣れすぎている感があって、ちょっと微妙。)

初めて『さざなみCD』の楽曲を生で聴けてうれしかった。個人的には『ハニーハニー』がベストアクト。この曲を生で聴きたかったが、ブレイク前で比較的マイナーな曲なのでまさか本当に聴けると思っていなかったのですごく嬉しい。また、『トンガリ'95』をやるなんて予想してなかったし。あみさんは念願の『8823』を聴けて、ご満悦。彼が『さざなみCD』の中で一番好きな『漣』で締めてくれた。アンコールでは新しいシングル『若葉』と一番古いシングル『ヒバリのこころ』を並べて聴けた。

今『さざなみCD』を聴いているが、改めて聴いてみるとすごくいいアルバムだと思う。『スピッツ』『隼』の勢いや『惑星のかけら』『インディゴ地平線』のグルーブ、『空の飛び方』『ハチミツ』のポップさをすべて併せて、さざなみどころか一つの大きな波が感じられる。

「たぶん70くらいになってもやってると思うんで。」といって去っていったメンバー。テツヤの癌という暗い話もあったが昨年の本厄も乗り切ったことだし、また素敵な音楽を届けてほしい。あとさいたまの音響は椎名林檎の時も感じたが大ホールの割にはかなりよい。ただ、スピッツは今度はこんな大きな箱じゃなくて、昔見たいにもっと小さいところで聴きにいきたい。本気でファンクラブに入ろうかと思っている。年間¥3,500は社会人には決して高くはない。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 22:33 | comments(2) | - | - | - |
菊地成孔 コンサート2008 第一夜 菊地成孔ダブ セクステット
今年のフジロック二日目の夜、underworldに行く足を拒ませたのが、苗場食堂での菊地成孔ダブセクステットだった。その場の雰囲気にあわせて息のあったセッションを繰り広げる彼らは、一瞬にしてわたしを虜にした。大人のためのカッコいいバンドだった。何年か前にUA×菊地成孔でフジロック出演をしていたが、確か寝過ごしか何かで見損ねた経験があった。菊地成孔はUA以外にもカヒミ・カリィら多くのミュージシャン達とコラボレートしているが、お互いの良さを引き出しあっていてよい。

その菊地成孔が、Bunkamuraオーチャードで公演するという。これは以前トゥーランドットを観に来たときに知った。しかも二夜連続で別のバンドという。素敵だ。オーチャードはクラシック向けのホールだが、彼のジャズセッションにはきっとぴったりのはず。本当は二夜連続行きたかったが、二日目は売切のため一夜だけだが行ってきた。

随分長い前置きだが、菊地成孔のライブは素敵という言葉がぴったりだ。華のある音楽というか、その場にいるだけで場が華やぐ女性がいるが、まさにそんな感じだ。曲自体は10曲程度と少ないが、2時間たっぷり聴かせてくれる。トランペットや他のメンバーとの掛け合いが絶妙。このダブセクステット自体としてはそんなに長いキャリアはないと思うが、息がぴったりだ。それともジャズミュージシャンは本来そういうものなのか?というか、そもそもこのライブから随分間が経ってしまい、その興奮をリアルに伝えたいが文章力が追い付かず残念。

わたしの周りで菊地成孔が好きだという人、それ以前に聴いたことある人は知らないが、フジロックにもたまに出ているので、ぜひ要チェック。もともとジャズ以外でもダンスミュージック等幅広く音楽が好きな方のようなので、彼ならその広い引き出しからロックフェスティバルという名前にぴったりの選曲で、私達を楽しませてくれるはず。そしてそこで虜になった人は、私と一緒に来年も開かれるであろうオーチャード公演に行きましょう。

| hammer | ライブレポ-邦楽 | 20:57 | comments(0) | - | - | - |
星文昭〜星ノ幻奏歌〜&椎名林檎〜 (生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜 〜
星ノ幻奏歌
日時:2008年11月29日(土)19:00〜
場所:新宿SACT!

(生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜
日時:2008年11月30日(日)16:00〜
場所:さいたまスーパーアリーナ

星文昭と椎名林檎という、個性も知名度も(失礼)全く異なる二人のミュージシャンだが、この二人の共通点は今年11月に30歳を迎えたということだ。その二人の単独ライブが偶然その11月に行われ、拝見する機会に恵まれた。場所の規模もやり方(星文昭の弾き語りに対して椎名林檎はバンド及びオーケストラ、ダンサー達を率いたかなり大掛かりなセット)も対照的だったが、自分達が作り上げてきた音楽や、それを作り上げるまでにいたる過程で出会った人たちや楽器、音楽への偉大なリスペクトを感じさせると言う点においては、両者とも拮抗していたと思う。

星文昭について言えば、特に彼が育て上げてきたそのギター達への深い愛情が感じられた。丸い音がほしいときはこちら、尖った音がほしいときはこちらと曲によってギターを使い分けていたが、ギター1本1本の持ち味をどうすれば生かせるか、常日頃から愛娘ともいえるギター達を手塩に掛けて育てている彼の姿が目に浮かぶようだった。その音一つ一つはを単なる既製品ではなく、自ら毎日メンテナンスをし改良を加えている彼の努力の賜物なのであろう。彼のギターは幸せ者である。

椎名林檎のパフォーマンスからは彼女をこれまで育ててきた音楽全てが見えるようだった。彼女はJ-POP、90年代ロック、クラシックと自分の感性にあわせてジャンル関係なく聴き続けてきたのだろう。いい言葉が思いつかないが、彼女の音楽自体も音楽としての完成度はかなり高いと思うが、彼女自身はおそらく、「それ以上に自分を育ててきた音楽が偉大だ」と考えているのだろう。ステージの上で彼女が音楽と向き合う姿は、実に謙虚であり、リスナーである私たちとの温度差を感じさせなかった。

前述したように、全くタイプの異なる二人だが楽器や音楽への愛情を正直に、ダイレクトに私たちへ届けてくれる。歌が上手いとか、曲がいいとか、パフォーマンスがおもしろいとか、それらが彼らのよさではない。(それらは当然のこととして、)自らの「思い」をかっこつけずに包み隠さず、伝えようとする姿が彼らの音楽とリンクし、私たちに感銘を与えてくれるのである。

11月最後の週末に非常にいいものを見せていただいた。今年一番密度の濃い週末だった。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 13:42 | comments(0) | - | - | - |
Live & Cafe 原宿 JETROBOT (アランスミシーの息子/サンタラ、林良太(ミックスナッツハウス) )
日時:2008年4月20日(日) 20:00〜
場所:原宿JETROBOT


アランスミシーの息子&サンタラのコラボライブ再びということで、慣れない原宿に足を運んだ。竹下通りは若いぜ。

今回は、ミックスナッツハウスというバンドの林良太さんのソロから。一言でいうとおとめちっくという感じ。(本人はその気はないのかもしれないが)『チョコレートは止まらない』という曲が気に入ったのでCDを購入した。初めて聴いたが歌詞がするすると入ってきて、こちらの創作意欲もかき立ててくれる。一つ一つの言葉の重みに押しつぶされるような歌詞ではなく、日本語のことば遊びがうまいなあと思った。

アランスミシーの息子は今回は2人編成。久しぶりに『Just for the sake of it』が聴けてよかった。Cyndi Lauperの『Time After Time』のカバーもあり。原曲と全く異なる世界観は樫本氏の個性によるところは大きいと思う。JEROネタ等相変わらずおもしろいMCだが、MCも含めてアランスミシーのライブは全力投球しているので、相当エネルギーを遣うのではないかと思う。

サンタラはまだチェックしていない新曲やインディーの頃の曲が中心。小さなステージだが貫禄は十分。あとからCDを聴いてみたが、「UPSIDE-DOWN」はこのときの二人のシンプルな演奏の方がずっといいと思う。アランスミシー、林良太を交えたセッションがThe Beatles『I saw her standing there』(わたしが一番好きなThe Beatlesの曲)だったのでテンションがめちゃくちゃ上がる。帰りにサンタラのエコバックを買い、キョウコさんのblogをまとめた文庫本をもらう。

久々のライブで自分の創作意欲がかき立てられた。ちゃんとMacを活用して曲を形にしようと思った。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 22:17 | comments(0) | - | - | - |
LUNKHEADワンマンツアー「変をしている」FINAL
日時:2006年10月22日(日)
場所:SHIBUYA-AX

実はLUNKHEADの曲はほとんど知らない。ただ迫力で圧倒された。MCに素人臭さが抜けていないものの、楽器を手にした途端稲妻が走る。デビューしてまだ3年たっていないが、個々のメンバーのスキルはとても高くてすごく安定感のあるライブだった。コーラスを聴くと小高以外も歌がうまそうだし。曲がいいだとか歌詞が泣けるだとかそういうファンの声はあると思うが、曲よりも何よりもライブがいいというのが印象的だった。特にギターがいい。ギターの旋律を聴くと体を針で縫われていくような気がする。

以前どこかの雑誌で「BUMP OF CHICKENの弟分」と書かれていたが、そうではないと思う。いわゆる青春ロック(と勝手にわたしが名づけている)バンドの部類に入ると思うが、BUMPよりもずっとマニアックな旋律をときに奏でていて、いい意味でお茶の間バンドにはならなさそうだ。90年代洋楽を聴いて育ったのだろう。

MCは会場の広さに似合わずアマチュアバンドのライブに来ているような気がして、かえっておもしろかった。その素人臭さがなくなってしまうとき彼らの魅力も減っていくのかもしれないので、今のままでいてほしいなと思う。彼らは愛媛県の東予地方出身でありMCでも方言が見られたが、時折不自然さも見られた。東京に出てきて言葉が抜ける中、必死でその自分達のルーツである地方の言葉を忘れないように話しているように思えた。

久々に邦楽ミュージシャンのライブに出かけたが、邦楽のライブもなかなかいいものだなと思った。日本語のよさというのはやはり日本で育った人間にしかわからないと思う。世界でこの小さな島国でしか使われていない言語だが、日本語を話せる自分を誇りに思う。
| hammer | ライブレポ-邦楽 | 14:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |