勝手に音楽批評Webサイト カルチャア
このBlogも2年くらい放置しておりましたが、現在アイルランド在住です(おそらく近々この国も出て行く予定)。最近アイルランドの音楽フェスとライブに行ってみたので、その時感じたことを書きます。
日時:2017年7月14日〜16日
場所:Marlay Park, Dublin
*ただし7月16日のみ参加
Belle and Sebastian
日時:2017年7月20日
場所:Iveagh Gardens, Dublin
Longitudeはダブリン郊外で行われる小規模なフェスで、ラインナップもフジロックや他のUKのフェスと比べてかなり小ぶり(アイルランドにおいては9月に行われるElectric Picnicというフェスが一番大きい)。屋台の数も決して多くはなく、フェスというよりも、ちょっと大きな音楽イベントという感じだった。時間帯は14時から22時過ぎまでで、オーバーナイトキャンプはなし。気になったのはゴミ。ゴミ箱がなく、その場に捨てるのが当たり前になっていた。
UKフェス同様、演奏よりものんびりその場の雰囲気を感じるのが醍醐味という感じがした。お客さんは若い人が多く、カップルや友達同士でハイキングに来るような感覚で来ていた。私は一人で参加したが、見た限り単身での参加は私だけであり、ぼっちにはかなり辛かった。会場自体は小さいものの小さいがためにステージ間の移動は楽だった。ラインナップは小ぶりとはいえいろんなジャンルのミュージシャンがおり、それぞれいい演奏やパフォーマンスを披露してくれた。まさにハイキングの延長で、親しい仲間同士のんびりするにはとてもいい。会場から垣間見える美しい緑に癒された。天候も良かったので、ラッキーだった(雨なら結構きついかも)。
ベルセバのライブは18:30ゲートオープンで、前座が19:30、ベルセバは20:30登場。こちらはダブリンの街中の夏限定の屋外会場。何度も見ているから特にこれといってすごさや真新しさを感じることはなかったが、安定していい音楽を届けるバンドであった。複数のメンバーが複数の楽器を掛け持ちし、曲に合わせて立ち位置を変えるというのはベルセバならでは。もともとキャリアの長いバンドであるから演奏自体も落ち着いて聞くことができた。ファンもLongitudeに比べて年齢層が高め。私は最初の方は前方で、最後は後方で見ていたが、前方であっても派手に盛り上がるファンもおらず、30代半ばには優しいライブであった。アイルランドは人口も少ない島国なので、UKミュージシャンのヨーロピアンツアーから外されることも多い。好きなミュージシャンを見ることができたのは、非常にラッキーであった。
今回立て続けではあるが、久しぶりにプロミュージシャンの音楽に触れることができて幸運であった。
日時:2015/7/12(Sun) 13:00-16:30
場所:渋谷Aurra
DJ:gou, hairi, Q. hammer sisters *Andy cancelled
Live:hammer(solo; P&Sax) *hama-ji cancelled
Charge: ¥2,000 with 2 drinks
Time Table:
マドンナがデビューして33年だが、これまでの作品以上に等身大の自分を投影できた作品となっている。ダンスチューンとアコースティック色の強いナンバーがバランスよく織り交ぜられているものの、メロディーラインがしっかりした曲が多くを占め、すべてのファンを満足させられるようなアルバムだ。ただし、「セックスシンボル」「ポップアイコン」としてのマドンナを全面に出しながらも、決して世間に迎合しない彼女の意志がタイトルの"Rebel Heart"に象徴されている。
彼女が大衆に受け入れられ、現在もその人気を維持できているのは、旬のミュージシャンとのコラボレーションも含めた時代とともに変容する柔軟な音楽性だけではなく、「ユーモアも交えたメッセージ性の強い歌詞と親しみやすいメロディ」というポップミュージックの基本に忠実であり続けているからなのだと思う。しかし50代半ばでここまでよく声が出るよなあ。
推薦者:hammer
ユーミンが他のミュージシャンと比べて突出している点は「客観性」だと思う。自分の湧き上がる感情を歌うというタイプというよりも、自分が見た光景を丁寧に描写して聴く人と共有し、共感を得るタイプだ。そういうタイプの女性ミュージシャンはあまり思いつかない。また、彼女の見た光景をリスナー自身は見たわけではないのだが、目の前に色付きで浮かび上がらせるということを1曲4分だか5分の間でやってのけるのは、ユーミンのマジックである。
話は変わるが、私自身はベスト盤自体については全般的に否定派であるが、あまり好きではない曲については容赦なくiPhoneからカットしても作品全体のバランスが崩れず心地よく聴くことができるという点ではありだな、と思った。
推薦者:hammer
タイアップ曲が多いアルバムは、アルバムとしては一般的につまらないことが多いと思う。タイアップ曲はクライアントの意向も大いに反映されるから、1曲ごとの個性が際立っていたとしても、アルバムとして集約した場合バランスが悪くなる傾向がある。本作品ではタイアップ曲群が珍しく後半に集中していて、何とも言えない疾走感を持続するdriving forceにもなっている。ワールドカップのテーマが浮かないのがすごい。そして前半はオリジナルナンバーが中心で、彼女が表現したいことをまずリスナーに届け、皆が知っているシングル曲が雪崩のように続くというユニークな構成だ。最後まで飽きることはない。他の作品で後半ダレることはよくあるが、それがない。"CDにありがちな"ことが排除されている。
このような作品は素晴らしいと思う反面、作り手側の"ねらった感"も透けて見えてしまい、表現者の作品を堪能するのに合わせて、仕事人としての仕事っぷりを見せつけられているようで疲れる点も否めない。仕事帰りには聴きたくないアルバムだ。勿論永年音楽シーンの第一線で活躍するだけのことはあると感じさせられる作品であることは疑いようがない。ただ、音楽を聴いていると、作り手が一生懸命ペンを動かしたり楽器を弾いている光景が浮かんできてしまい、自由さや純粋な遊び心に欠けるような気がする。
推薦者:hammer